開業にむけてのパン屋修行計画

開業日記
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30歳でパン屋に転職してから、いくつかのお店で働かせていただきました。

そのうち履歴書を出して面接してもらって、という正式な入社手続きをとったお店は3軒。

チェーン店が2店。個人店が1店。

また同僚の方の紹介で研修させてもらったお店を含めると、計10軒程のお店を体験させていただきました。

これに関しては私の人徳‥もとい周りの方の親切によるご縁でしたので、本当に感謝しています。

私は転職を決意した時に自分なりに修行計画をたてました。

❶とにかく数をこなせる様に日商が高いであろうチェーン店に就職する

❷①を経た上でパンの製法を論理的に学ぶ

❸自分の好きなお店で働く

という自分なりに綿密な、今振り返るとざっくりとした計画です。でも意外と点と線が繋がった計画だなあと自分で思ってます。思ってるったら思ってます。

❶とにかく数をこなせる様に、日商が高いであろうチェーン店に就職する

まず最初に入社したお店ではひたすらに大量生産をする毎日でした。

本来は、技術と知識が両立できれば良いのですが、まずはとにかく実践する事が大事だと思います。参考書を読んで唸ってても何も始まりません。

とにかく数をこなす事で、まず体にパン屋で働く流れが染み付いていきます。

はじめは先輩に言われた事を実践する余裕すら無かったですが、立ち止まって悩む時間はありません。

反復を繰り返すと、まず少しずつ時間に余裕ができてます。

時間にして1つの工程に1、2分の余裕ですが、そこに教わったり見て学んだ事を落とし込む余裕ができてきます。

そうなるとようやく仕事が楽しくなりました。

それがモチベーションに繋がり、更に生産スピードと技術が上がります。(自分なりに)

空いた時間で新しいポジションを手伝わしてもらったりしていくうちに、いつでも新しいポジションを任されてもいい状況を作りあげていきました。(自分なりに)

また、チェーン店の1つは高級スーパーの系列店でもありましたので、フルーツ等も高級品をふんだんに使った商品を扱えたのは良い勉強になりました。

❷①を経た上でパンの製法を論理的に学ぶ

正直これが中々難しい話です。

やはり習うより慣れろで、経験と感性が物を言う世界です。

何故こうなるんだろう?

何故できないんだろう?

何故うまくいったのだろう?

技術も知識も乏しく、スタートの遅れを取り戻そうと必死になればなるほど焦ります。

参考書を読んでQ&Aとして予習復讐をしても、中々自分の引き出しの中に落とし込む事ができずに不安になりました。

そんな時に助けてくださったのが、周りの素晴らしい先輩方です。

紹介や伝手により、講習会や他店への研修に参加させてもらう事ができたのです。

たくさんの先輩方に出会い、話し、時には怒られたりする中で、自分の中でモヤモヤしていた疑問や課題が次々にクリアになっていきました。

また、講習会は座学等もあり、苦痛な時間も正直ありましたが、普段の作業に生きていきます。

「今日のご飯何食べよう」

とか考えながら作業していた時も正直ありましたが、講習会後は、

「これはこの間習ったやり方が応用できるかも」

と己の単純さにおののきながらも全く違う思考で働ける様になりました。

また、衛生管理や栄養素等のメカニズムも学ぶ事ができたのは本当に大きな経験でした。


新しい製パン基礎知識再改訂版 [ 竹谷光司 ]

❸自分の好きなお店で働く

現在は、以前から好きなお店で働かせてもらっています。

商品はもちろん、お店の雰囲気、大きさ、接客‥全てが理想のお店に出会い、その中に入っても印象通りの素晴らしいお店で働かせていただいています。

この業界に飛び込んだ際、最後はこのお店で修行の総仕上げだ!と誓いました。

もちろん、この世界は一生修行なのですが、実技と理論を学び、自分の理想とするお店で戦力になる!というのが独立する上での自信に繋がると思ったのです。

当初、何度か応募をしたのですがタイミングが合わず募集が締め切られてしまっていたお店でしたが、今はまだその時ではないんだなと割り切り、自分なりに刀を研いで過ごしました。

当時の職場である程度仕事を任され、後輩もできた頃、機は熟した、と応募するとちょうど人が抜けたタイミングにあやかる事ができたのです。

ここまで自分なりに決めた修行計画を、わき目も振らずに駆け抜けているつもりです。

「技術を高める」

目標を明確に持ち、人を恨んだり嫉妬せずにこれからもやっていこうと思います。

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